これだけは知っておきたい外貨運用

1.外貨とは

外貨とは文字通り日本円以外のお金です。外貨運用をしていなくても、海外旅行で両替をしたことがある人はいると思います。

現在は日本が低金利のため、外貨建となっている保険や外貨運用の投資信託も非常に多くなっています。銀行で外貨預金のポスターを見たことがある人も多いと思います。

私が外貨に興味を持ったのは、就職活動で日経新聞を読み始めた頃です。1ドル100円の時にドルを買って、1ドル110円の時に売ったら儲かるのではないかと単純に思いました。その後、社会人になってからシティバンクに口座を開き、外貨預金を始めました。外貨の種類が多く、外貨預金を海外旅行で引き出せるというのが選んだ理由です。(海外旅行で使うことはありませんでしたが)

 

2.為替手数料

外貨取引をする際に必ず押さえないといけないのが為替手数料です。

計算上1ドル100円の時に1万円をドルにすると100ドルですが、実際に買うときは1ドルあたりいくらの手数料がかかります。当時、シティバンクの手数料は1ドルあたり1円で、それ以上の銀行もあったと記憶しています。

先の例だと実際に手にするドルは、10,000÷101=99ドルになります。このドルを同じレートで円に変えると99×99=9,801円となります。このレート100円に±するのが為替手数料で、外貨に換えるときと円に戻すときの両方にかかります。同じレートでドルを買って、もう一度円に戻すと為替手数料の分だけ目減りします。

次の写真は、現金で外貨を売買するレートです。これは、ある空港の交換所ですが、10,000円でドルを買い、再び円に換えると9,171円に目減りしてしまいます。

2019/5/4レート

3.手数料の差は利回りに直結する

その後、ネット銀行など為替手数料が安いところが登場しました。例えば現在ソニー銀行は1ドルあたり15銭です。この場合、1万円でドルを買うと10,000÷100.15=99.85ドル、もう一度円に戻すと99.85×99.85=9,970円です。

為替手数料が1円のときに比べ169円多くなりました。100万円の取引をすると、その差は100倍の16,900円になります。

外貨建て金融商品の「利回り3%」などは外貨ベースです。仮に為替相場が変化しなくても、実際の利回りは為替手数料の分、3%より低くなるのです。(保険会社等の手数料は考慮していません)

最後に、流通量が少ない通貨の場合、為替手数料が高くなる傾向があります。過去に南アフリカランド建ての債券を買うために、1ランドあたり1円の為替手数料がかかるのを見たことがあります。1ランドは8円前後なので、1ランドを買うために9円が必要です。100万円でランドを買うだけで約11万円の手数料を払うことになり、金利が高くても投資としては失敗する可能性が高いのです。